つたえたい、
心の手紙
いまは会えないあの人に
「つたえたい、心の手紙」
この活動を通して
「つたえたい、心の手紙」は、書くことで心の整理をする機会となる一方、読者の方からも、今ある大切な人たちと過ごす時間に改めて喜びを感じることができるという声が寄せられています。
この活動を通じて、手紙がもっている、“手紙を書いた本人だけではなく読んだ方への癒す力”“家族や友人との絆を再確認し、前向きに生きる気持ちにさせてくれる力”を皆様に少しでもお伝えできればと思います。
編集長が選ぶ、
今週の珠玉の1通
惜しくも受賞は逃したものの、作者の方の想いが強く感じられる作品を「珠玉の1通」としてご紹介いたします。
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今更優しくしても遅いよね
本箱を整理していて、いくつかの俳句を書きとめたノートを見つけたとき、退屈しのぎに誰かの句を書き写したくらいに思ったのさ。
意味なく字を書くことが好きなかあさんのことだからね。そのなかに、富士山と柿の実を詠んだ句があって…思い出したよ。
病室の窓際に柿の木があって遠くに富士山が見えていた―すると、これはかあさん自身が推敲して書きとめたノートということになる。そんな素振りは一切見せなかったもんな。俺にけなされるとでも思ったのだろうか。
かあさんを見舞ったとき、「俺と一緒になってよかったろう」って聞いたことがあったね。
あのとき、「そうね…」と気のない返事をしたかあさんの表情がいまになって気になってきたよ。
俺は、かあさんの日常をどれだけ知っていたのかね。
かみさんのことは何でもわかってると思っていた。
俺という同伴者をどう思っていたのか。
何もかも曝け出してかあさんに任せっきりだったから、すべて見透かされていたんだよね。
女に生まれたことに感謝して、母であることを誇りにして、近くに孫たちの嬌声が聞こえていれば、ご満悦だったかあさん。
あたりまえのことがあたりまえにできればそれでいい。小さな満足を知っていたから自分のしあわせを知っていたから、いつも笑顔を絶やさなかったね。
黙って見ていられない人だから面倒見るのが好きだから、手を貸すことを厭わない。
病院帰りに、たまたま出会った近所のひとの荷物を持ってやったりしてさ。
俺は、そんなかあさんの想いをどれだけ斟酌していたんだろう。互いがやさしく接するということは、相手の心情の深層まで理解してやる心遣いをすることであった。
すべてのことに満ち足りてしまってーそれで急いだのでもあるまい。そんなに急ぐこともなかったんじゃないか。
いま、かあさんに話したいことが一杯出てきちゃって、腹が膨らんできて困っているよ。「心の手紙」に
寄せられたご感想応募者の方の声
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静岡県・50代・⼥性
応募をきっかけに、改めて⽗や⺟への想いを⾔葉にすることができました。
忙しさにかまけて、⾒ないふりをしてきたような気がします。こんな⾵に感じていたんだ、と⾃分の事ながら、読み返すことができたことが、今、⾃分への⽀えです。
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東京都・10代・⼥性
初めてこの公募を⾒かけて、「祖⽗に伝えたい」その気持ちでいっぱいになり書きました。書いている途中はあれこれ祖⽗との思い出がよみがえって、何度も涙が⽌まらなくなり書くのを中断しましたが、最後まで書き上げられてよかったです。祖⽗に届くように⼼から願っています。
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⼤阪府・60代・⼥性
今まで⼼残りで後悔していたことを⽂章にして、⾃分の⼼の整理をすることができました。
本⼈にはもう伝えることができませんが、今まで内に溜めていた気持ちを吐き出すことで、⼼が少し軽くなった気がします。 -
神奈川県・60代・男性
この作⽂を書くことで、家族を考える良い機会になりました。私のように感じられる⽅は多いと思います。とても良い企画と思いますので、これからもずっと続けていっていただきたいと願います。
読者の方の声
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富⼭県・60代・男性
⾝に染みるお話ばかりで涙が溢れてきました。⾃分の⾝の回りにいる⼈やお世話になった⽅を⼤事にし、⼈の痛みや悲しみを知り、思いを同じにすることでその⼈の気持ちをより深く理解することができるのだと思いました。
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愛媛県・40代・⼥性
過去の作品を読ませていただきました。それぞれの⽅の⼈⽣や⽣き⽅、思いが伝わり、⼼が温かくなりました。⾃分の⽣き⽅や⼈⽣を振り返り、今に感謝する良い機会になりました。
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埼⽟県・70代・⼥性
毎年楽しみにしておりますそして何度も繰り返し読ませていただいています。
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岡⼭県・40代・男性
毎回、読むたびに普通の⽣活が当たり前ではなく、有り難い事なんだと思います。
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