葬儀は故人様との別れであり、遺品整理は気持ちの区切りをつける精神的な別れとも言われています。
したがって遺品整理は部屋の片付けという側面だけではなく、遺族の方々のお気持ちを整理するためにも大切なことです。今回は遺品整理の行い方、遺品整理会社の選び方なども詳しく解説します。

遺品整理とは?

一般的には、故人様の持ち物や想い出の品を整理し、生前に使われていた部屋や家を片付けることを「遺品整理」と呼びます。

具体的な遺品整理の内容

遺品の中には、さまざまなものがあります。市場価値のあるものだけではなく、家族との想い出の品物なども大切な遺品です。
ものによって残すものと処分するもの、リサイクルショップやネットオークションで買い取ってもらうものや、寄付するものに仕分けるケースなどがあります。
着物や蔵書、鞄など思い入れの強い品などは、遺族や友人に形見分けをします。

遺品整理の時期

一般的には、忌明けの四十九日や一周忌などの法要を滞りなく終えてからと言われますが、決まった時期はありません。
遺族の方々が、こころの整理をつけようと決められた時に行うのが、望ましいでしょう。
ただし公営住宅などでは、お亡くなり後の退去日が設けられている場合もあります、住宅環境により整理する時期を決められる場合もあります。
持ち家や家賃を払い続ける限り部屋の状態を維持できるのであれば、春の引越しシーズンや年末で大掃除を行う時期は、粗大ごみの予約が取りづらい場合もありますので、時期をずらして行うほうが良いでしょう。

遺品整理を行う場合


遺族が遺品整理を行う場合に役立つ情報として、準備するものや手順、整理のコツなどをご紹介いたします。

事前に準備するもの

遺品を収納するための段ボール箱や衣装ケースなどを用意します。あらかじめ量的なものを見積もってから用意するほうが無駄にならないでしょう。
ほかにも作業上で必要となる「ガムテープ(段ボール箱を閉じる)」「マジック(中の品物を記載する)」「ビニール紐(本や雑誌を縛る)」、カッターや軍手、マスクなどを準備しましょう。

手順や進め方

あらかじめ収納用の段ボール箱や衣装ケースに、「貴重品」「リサイクル買取」「寄付」「処分」「形見分け」「処分品」「保留・後ほど再確認」などのメモを貼り付けて、それぞれを箱やケースに分類しておきます。
遺品が何に当てはまるかを考えながら仕分けをし、迷っているものは「保留・後ほど再確認」に入れます。
このように仕分けし収納することで、わかりやすく整理作業を行うことができます。

整理のコツ

遺品整理には仕分けのコツがあります。ます「処分」に該当するものの中で、処分に掛かる費用家具で電化製品などは、できれば「リサイクル買取」や「寄付」に移しましょう。
リサイクルショップやネットオークションの活用や形見分けなどを通して、処分費用を抑えることが大切です。
家具や電化製品などは、リサイクルショップから出張で買い取りに来てもらえる場合もありますので、事前にご確認ください。

処分するかどうか迷うものは作業の手を止めずに「保留・後ほど再確認」に入れ、のちほど再度確認し仕訳をおこないましょう。

また、市場価値が無いものでもネットオークションやフリマサイトの世界では、探されている方が居ます。
必要な方にお使いいただければ、不用品では無くなります。資源を無駄にしなくなることにもつながりますので、ご検討ください。

遺品整理を専門の会社へ依頼する場合

遺品整理を専門の会社へ依頼される方が増えています。どのような作業をどこまで行ってくれるものか、目安をご紹介いたします。

遺品整理会社の作業範囲を知る

作業の基本は遺品の仕訳と家財道具などの搬出です。
相続に関係してくる権利書・預金通帳・株券などの捜索をいたしますが、事前に依頼者自身での確認をお勧めいたします。
遺品整理作業時に発見した現金や貴重品などは、最後に依頼主様へ確認いただくため箱に納めます。
ご依頼主様にて不要と判断されたものは、遺品整理会社にて引取し処分します。

通常、遺品整理会社では許認可を受けており「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に則って適切に処分いたします。
認可を受けていない会社に依頼されると、不法投棄されてしまう恐れがありますのでご心配な場合は契約を結ぶ前にご確認ください。

家電製品や家具などのリサイクル可能なものは、買取または見積した作業金額から引いてもらえる場合もあります。
また、良心的な会社では、作業完了後にお部屋の簡易清掃を行ってもらえる場合もありますので、作業料金だけではなくトータルでご検討ください。

部屋の片付け以外にも、自動車やオートバイなどの廃車手続きを行ってもらえる会社もあります。

事前整理


体力的に余裕があるうちに亡くなった後のことを考え、自身の「将来の遺品」を整理しておくのか「事前整理」です。近年では高齢者以外にも30代前後から始めるかたもいるようです。
また、インターネット上で登録している年会費の発生するものや、各種サイトに登録しているIDパスワードを片付ける「デジタル事前整理」を行われる方もいます。

事前整理のメリット

事前整理の最大のメリットは、亡くなった後、家族に負担をかけないことです。遺品整理は、想像以上に大変な作業です。
残された家族に苦労をかけないよう、物を減らし、物の行き先を決めておくと負担が軽減されます。

しかも、事前整理を行うことは自分自身のためにもなります。自分の人生の棚卸となり、本当に必要なものだけに集約する意味があるのです。
物以外にも、自身にしか解らないことや金銭問題を片付け、後顧の憂いなく暮らすことができれば、素晴らしいことです。

事前整理を始める時期とやること

始める時期は元気なうちであれば、早ければ早いほど良いともいえます。やるべきことは不要なものを処分して減らしていくことです。
また、財産の目録を作ることや、遺言書をつくること、色々な人へ向けてメッセージを残すエンディングノートなどを作ることなどが挙げられます。

事前整理のポイント

事前整理をスムーズに行うためのポイントは、まず家全体を俯瞰してシンプルな間取り図を作ります。そして場所ごとに順番をつけ、一箇所ずつ行っていくプランを立てます。

次に物を4種類に分けます。「必要」「不要」「検討中」「移動」で分類すると良いでしょう。「検討中」のものは一旦保留にし半年前後が経過したら改めて確認し分類分けに移動しましょう。
他の場所に収納するものが「移動」です。
このようにするとスムーズに整理が進みます。

遺品整理会社へ依頼する場合の費用相場について

費用の目安は、間取りと作業人員数で変わります。
価格例)
1K・作業員2名~・¥55.000~ / 1DK・作業員2名~・¥88.000~
1LDK・作業員3名~・¥143.000~ / 2DK・作業員3名~・¥176.000~
2LDK・作業員4名~・¥220.000~ / 3DK・作業員5名~・¥286.000~
3LDK・作業員6名~・¥286.000~
あくまでも目安となり、お部屋の状況などにより変更となります。

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