- 終活
費用を積み立てて準備する「互助会」とは? その仕組みを詳しく紹介!
/(株)くらしの友 営業本部
2001年くらしの友入社、互助会部門の責任者を15年務める。終活に関連する介護・葬儀・社会保障制度など、さまざまな領域の知識をもつエキスパート。
「葬儀で互助会って聞くけど、どんなものなの?」
「互助会に入ると、葬儀がお得になるって本当?」
「両親が加入したけど、本当に安全なシステムなの?」
などの疑問をお持ちではありませんか?
『冠婚葬祭互助会(※以下、互助会)』という言葉を聞いたことはあっても、その仕組みや内容の詳細を知る機会はそうないでしょう。
結論を言うと、互助会とは、結婚式・お葬式などの冠婚葬祭に備えることができる積み立てシステムです。正しい理解のもと利用すれば、会員ならではのサービスが受けられるなどのメリットがあります。けれど、必ずしも万人が必要とするサービスではありませんので、その特長をきちんと理解したうえで検討することが大切です。
この記事では、基本的な互助会の仕組みとその内容、互助会のメリット・デメリットを紹介します。
この記事で分かること
- 互助会の仕組みやサービスについて
- 互助会に加入することで得られるメリットやデメリット
目次
1 互助会とは、冠婚葬祭に備える積立サービスのこと
互助会とは、結婚式・お葬式といった冠婚葬祭に備えて、月々お金を積み立てていくサービスです。
将来に備えて毎月一定の掛金を払い込むという点においては、保険や共済と似ています。けれど互助会は、完納になっても現金が支払われるのではなく、契約額に応じた役務(婚礼や葬儀などの実施)が受けられます。
互助会の会員となることで葬儀や婚礼で割引を受けることができるほか、会社によって関連施設や提携企業が提供するサービスが割引価格で利用できたり、優待イベントを実施していたりなど、さまざまな特典も用意されています。
1-1 互助会の歴史
互助会は、相互扶助(そうごふじょ)の精神から生まれたもので、みんなで持ち寄ったお金で冠婚葬祭を行う、助け合いのシステムです。
日本で初めて互助会が誕生したのは、昭和23年(1948年)で、今から70年以上も昔になります。
昭和47年には割賦販売法の改正で、加入者(会員)から前受金(月掛金)を預かる前受金特定取引業として、割賦販売法に基づき、経済産業大臣の厳しい審査を通過した企業だけが運営できる事業となりました。
これにより互助会は割賦販売法の規制・監督を受けることになり、前受金の保全措置などの消費者保護への対応が義務づけられました。
現在では、互助会を運営する会社は240社(※)、またその契約数は2,207万口(※)といわれ、多くの方に利用されています。(※令和4年3月 互助会保証株式会社サイトより)
1-2 互助会の掛金
互助会の会員になると、毎月一定の掛金を互助会に積み立てます。月々1,000円~5,000円の掛金を、だいたい60回から120回の支払いで積み立てるのが一般的です。
互助会の積み立てプランには、基本的に儀式に必要なサービスや物品がセットされており、その内容は各社さまざまで、会社によって複数のプランが用意されています。
担当者から説明を受けた「お得なプラン」が果たして自分にとってもお得かどうかを決めるのは自分自身ですので、疑問はできるだけクリアに、納得いくまで説明をしてもらい、積み立てプランを決定すると良いでしょう。
2 互助会の仕組みに関する、よくある質問7つ
次に、互助会でよくある質問と答えをまとめました。
2-1 互助会は契約者しか利用できない?
加入者と、加入者の同居の家族なら利用できます。また、同居以外の親族でも名義変更等、手続きを踏むことで利用できることもあるので、契約時にしっかり確認しておきましょう。
2-2 引っ越しをすることになったら?
契約企業の営業エリア外に引っ越す場合は、引越し先で営業している他の互助会が、移籍加入の引き受けを行う場合に限り移籍することが可能です。
一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会などの全国組織の加盟企業であれば、各地に提携互助会があるので移籍もしやすいでしょう。
2-3 加入していた互助会が倒産した場合は?
割賦販売法により払い込んだ掛け金の50%が国の制度によって保証されています。ただ、残りの50%は戻りませんから、倒産リスクの少ない互助会を選ぶことが大切です。
2-4 互助会の契約金額満額を支払う前に加入者が死亡してしまった場合は?
契約成立後はいつでも利用が可能になります。積み立ての途中だった場合は、契約金額との差額を支払うことで同様の互助会のサービスを利用できます。但し、契約日より180日経過以前は、早期利用費のお支払いも必要となります。
2-5 互助会は一度入会すれば何度でも使える?
1契約につき1施行となり、契約プランを利用した時点でその契約は終了となります。
但し、古い互助会契約などは上記に該当しない場合もありますので、詳細は契約企業に確認しておきましょう。
2-6 互助会の掛金に見直し改定はある?
互助会は保険ではないので、掛金が変動することはありません。「前払式特定取引業」と呼ばれる契約法のため、物価の変動に左右されず、掛金は一律に保たれます。
2-7 互助会の掛金に消費税は含まれている?
掛金に消費税は含まれていません。そのため、サービスを利用する際に、その時分の税率を支払うことになります。
3 葬儀における互助会のメリットとデメリット
互助会加入の際に知っておきたいメリットとデメリットをまとめました。
3-1 互助会の葬儀におけるメリット
急な費用負担が軽減できる
葬儀は突然必要になることが多く、費用も決して安くはありません。互助会で事前に費用を積み立てておくことで、急な出費を抑えることができます。
葬儀を比較的低価格で行うことができる
会員になると一般料金よりお得な条件で葬儀が利用できるので、費用負担が軽減されます。どの程度負担が軽減されるかは、各社プランによって異なりますので、加入前に確認するとよいでしょう。
家族みんなで利用ができる
加入者本人だけでなく同居の家族であればサービスの利用ができます。互助会によっては、申請を行うことで親族間利用、あるいは友人など他人に譲渡することも可能です。 ※名義変更には手数料がかかることもありますので、詳細は契約時に確認しましょう。
物価の変動に影響されない
掛金をすべて支払われた方の権利は、利用されるまで加入時の契約内容が保障されます。物価が変動しても基本的に受けられるサービス内容が変わることはありませんし、掛金の値上げもありません。
充実のサポート体制
葬儀においては、24時間365日対応可能なフリーコールが設置されているなど、電話一本ですぐに対応してもらえます。特に葬儀はいつ必要となるかもわからないので、いざという時に連絡先が決まっているだけでも、随分安心することができるでしょう。
互助会に入会するメリットや入会方法をより詳しく知りたい方はこちら
3-2 互助会の葬儀におけるデメリット
葬儀費用の全額は賄えない
互助会の契約プランには、葬儀に必要な基本的なサービスや物品が含まれていますが、宗教者へのお礼などは別途費用となるので、これですべてを賄えるわけではありません。 契約プラン内に何が含まれ、何が含まれていないのかを事前に把握しておくとよいでしょう。
契約した企業が倒産するリスクがある
互助会は民間企業が行っているため、経営破綻する可能性はあります。互助会を選ぶ際は、創立年数や企業規模、実際に施設を見学して設備やスタッフの対応を確認するなど、経営状態が問題ないのかをしっかり確認するとよいでしょう。
ただ、万一倒産した場合でも、払い込んだ掛金の1/2に相当する額は、法律や経済産業大臣の指定機関である「互助会保証株式会社」などのシステムによって守られます。 また施行は「互助会加入者施行支援機構」「互助会契約者保護機構」「儀式施行安心ネットワーク」への加盟により、ご利用時まで100%保証されています。
4 まとめ
この記事を読んだことで、互助会への理解が多少は深まったのではないでしょうか。
大切な人を失い、悲しみに暮れる中、葬儀にまつわるあれこれを一度にすべて決めるというのはとても負担の大きい作業です。けれど、今回のように互助会の加入を検討することで、いざという時のための心構えや準備にもなったのではないでしょうか。
人間誰しも、いつその時が訪れるかわかりません。関心を抱いたこの機会に、資料請求をして特徴やサービスを比べてみたり、事前相談を行ったりしてみるのも良いかもしれません。
創業50余年を迎えるくらしの友では、互助会に関する詳しい資料をご用意しております。また、互助会の疑問や葬儀の不安などにお応えするセミナーも随時開催しておりますので、ぜひ情報収集の一環としてご活用ください。