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家族葬には、どこまで参列できる?知っておきたい参列の判断基準とマナー

作成日:2023.07.13
最終更新日:
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秋葉 祐子のイメージ
監修者
秋葉 祐子
/(株)くらしの友 儀典本部

2004年くらしの友入社、厚⽣労働省認定の技能審査制度「葬祭ディレクター」1級取得。
故人様とご遺族に寄り添い、大規模な社葬から家族葬まで、これまで1,000件以上の葬儀に携わる。

現在よく知られている葬儀の形態として、「家族葬」があります。友人や知人から「葬儀は家族葬で執り行います」と言われたら、自分は参列してもいいかどうか迷うケースがあります。

ここでは、

・そもそも家族葬とはどんなものか

・「家族」でなくても参列して良いか

・家族葬に参列するときのマナー について解説していきます。

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この記事で分かること

  • 家族葬とは「家族や親族、親しい友人・知人を中心として行われる葬儀」のことを指す
  • ご家族から直接「家族葬に参列してほしい」という連絡があった場合は、参列するのが原則
  • 家族葬の際の服装は、基本的には準喪服を選ぶようにする
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目次

  1. 1 家族葬とはどんなもの?
  2. 2 「家族葬に参加する人」に決まりはない
  3. 3 ご家族のご意向によって対応は異なる
  4. 4 ほかの人への連絡はどうしたらよいか
  5. 5 家族葬に参列するときのマナー
  6. 6 まとめ

1 家族葬とはどんなもの?

まず、「家族葬とはどんなものか」について解説していきます。

家族葬に関する定義や考え方は、各葬儀会社や各専門家の間である程度違いが見られるものの、一般的には、「家族や親族、親しい友人・知人を中心として行われる葬儀」のことを指します。

このため、一部の例外を除き、家族葬の場合は一般葬よりも少人数で葬儀を執り行うことが多いといえます。

家族葬であっても、[お通夜~葬儀・告別式~火葬~繰り上げ初七日法要・精進落とし]と、一般葬とまったく変わらない流れを取ります。

家族葬と混同されがちな形態に、通夜を行わない「一日葬」や火葬場でのお別れだけで宗教的な儀式を含まない「直葬(火葬式)」がありますが、家族葬の定義とは異なります。

2 「家族葬に参加する人」に決まりはない

「家族葬」という言葉から、家族葬にはご家族やご親族しか参列してはならない(友人や知人などは参列してはならない)と連想する人もいるかもしれません。また家族側の立場に立ったときには、「故人と非常に親しくしていたご友人がいたが、家族葬だから呼んではいけないのではないか」と悩むこともあるかもしれません。

しかし家族葬においては、「家族葬にどこまでの関係の人に声をかけるか」「親族以外の人は呼んではいけない」「呼ぶのは三親等以内に限られる」などのような明確な基準はありません。

血縁関係が遠い場合(姪の子どもなど)や血縁関係になかったとしても、故人と親しく付き合っていた人ならば葬儀に呼ぶべきでしょう。

また逆に「故人とまったく交流がなく、現在どこに住んでいるかもわからない親族がいる」というように、血縁関係こそ近いものの付き合いが非常に薄い人の場合は呼ぶ必要性は薄いといえます。

「家族葬に参加してもらうかどうか」は、故人やご家族と、対象者の関係性によって異なります。

3 ご家族のご意向によって対応は異なる

上記の「家族葬には誰を呼ぶか、明確な決まりはない」という前提のもとで、「家族葬に参列してもよいか、参列しない方がよいかを、どのようにして決めればいいのか」について考えていきます。

「家族葬に参列してもよいかどうか」は、自分が「参加者」の立場の場合、ご家族のご意向で決まります。

・参列を直接呼びかけられた

・直接聞いたわけではないが、場所や日時は知っている

・参列辞退(お断り)の意向がある

それぞれのケースで、「参列するか、参列しないか」について解説していきます。

3-1 参列を直接呼びかけられた場合

ご家族から直接「家族葬に参列してほしい」という連絡があった場合は、参列するのが原則です。

もともと冠婚葬祭のなかで「葬儀」は特に緊急性と重要性が高いものと判断されています。もう二度と行うことができないものですし、「肉体を持った故人とのお別れ」ができる最後の場でもあるからです。ましてや家族葬であるにも関わらず参列を呼び掛けられる場合は、「小規模に行うが、それでもあなたには参列してほしい」というご家族の強い希望が込められているため、重要度もさらに高いといえるでしょう。

 

どうしても行けない事情(入院中でドクターストップがかかっている・海外に住んでいて飛行機の手配をすぐにしても間に合いそうにない など)を除き、必ず参列するようにしてください。

3-2 日時や場所が記されていない場合

メールなどで家族葬があることは知らされたものの、場所や日時は記されていない場合や家族葬で執り行う旨が記載されている場合には、「葬儀はあるけれども、参列は遠慮してもらいたい」という意思表示なので、参列しないようにします。

逆に言えば明確に日時や場所が記されている場合は、家族葬に参列しても構わないと考えるのが一般的です。

 

3-3 人づてに家族葬であることを聞いた場合

人づてに家族葬を行うことを聞いた場合はどうしたらよいでしょうか。

ご家族から直接的に場所や日時を教えられたわけではないため、葬儀への参列は控えるのが原則です。また聞きなどで情報が耳に入っても、ご家族から直接連絡がない限りは参列しません。

3-4 「弔問辞退」と書かれている場合

訃報の連絡に、「弔問は辞退(お断り)させていただきます」と書かれている場合は、家族葬の日時を知っていたとしても、参列してはいけません。

これはご家族・ご親族が明確に、「直接声を掛けていない人には、参列してほしくない」という意思表示をしているからです。

このような意思表示がされている場合は、ご家族に改めて問い合わせることも控えておいた方がよいでしょう。問い合わせれば、ご家族に「断るのが申し訳ない」という気持ちを抱かせてしまう可能性が極めて高いからです。

【ご家族のご対応別・参列するかしないかの基準】

ケース
判断
直接声を掛けられた
参列すべき
家族葬があることは知っているが、日時を知らない
参列は控える
家族葬があることを知っていて、日時や場所も記されている
参列が望ましい
家族葬があることを知っていて、日時や場所をひとづてに聞いた
参列は控える
「参列辞退」のようにはっきり伝えられている
参列してはいけない

4 ほかの人への連絡はどうしたらよいか

上記を踏まえたうえで、「ご遺族から自分に家族葬の連絡が来たが、共通の友人・知人に話してもよいか」について考えていきましょう。

自分へ個別に連絡が来た場合は、共通の友人・知人であっても、家族葬の日時はもちろん、家族葬が行われることも言わない方がよいでしょう。家族葬の場合、参列をしてほしい友人・知人には、ご家族から本人へ直接連絡をすると考えられます。

SNSのメッセージ(例:LINEのグループメッセージ)など、複数人が見ている場に家族葬の日時や場所が送られてきた場合は、「そのグループに所属している人には参列をお願いしたい(参列しても構わない)」と捉えられます。そのため仲間内で参列するかしないかについて相談し、連れ立って弔問に行っても構いません。

 

5 家族葬に参列するときのマナー

ここからは、「家族葬に参列するときのマナー」について解説します

5-1 家族葬に参列するときの服装

服装は、一般葬のそれに準じます。基本的には準喪服を選ぶようにします。通夜の場合は、もっとも格の低い略喪服でも構わないとされていますが、準喪服の方がより無難です。なお参列者は、正喪服は着用しません。

「準喪服」とは、男性ならばブラックスーツに白いシャツ、そして黒いネクタイを合わせた装いです。女性の場合は、光沢のない黒い無地を使った七分丈のワンピースに黒いストッキングを合わせた装いが準喪服にあたります。なお、男性も女性も、鞄と靴は金具がついておらず、光沢のない素材で作られたものを選ぶ必要があります。

子どもは、学齢期であれば制服にします。制服は子どもにとって最も正式な礼服だからです。

【喪服対応表】

通夜
葬儀・告別式
家族
準喪服
正喪服
親族
準喪服
準喪服
参列者
略喪服もしくは準喪服
準喪服

5-2 家族葬での香典・供花・弔電のマナー

・香典(不祝儀)

一般葬と同じように受付で渡します。ただし家族葬では受付が用意されていない場合もあります。この場合は式場内やご親族の控室などで挨拶をした際にお渡しします。

「香典は辞退します」とあらかじめ聞いていた場合や、差し出した段階で断られた場合は、無理に渡すことは控えます。

 

・供花、供物

式場内に飾る供花や供物は、一般葬でも家族葬でも葬儀会社を通じて手配します。ただし香典と同様に、供花や供物を辞退する意向が示されている場合もあります。まずは葬儀を請け負っている葬儀会社に連絡をして申し込みます。

 

・弔電

家族葬の場合でも、参列しない方が弔電を送っても問題ないとされています。こちらも、前述の香典や供花・供物と同じように、ご家族側から「弔電を辞退する」というご意向が示されている場合はそちらを尊重します。送り先は葬儀会場とし、通夜の前に着くように手配するのが理想的です。

6 まとめ

限られた人だけで行う小さな葬儀「家族葬」は、現在ニーズの増えている葬儀の形態です。「家族葬」と言っても、必ずしも家族以外の方は参列してはいけないという決まりはありません。ご家族のご意向を最優先して、参列するべきか控えるべきかを考える必要があります。

香典(不祝儀)・供物・供花・弔電に関しても、ご家族側のご意向が尊重した対応が求められます。

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