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葬儀でマスクは必須? 色は白と黒のどちらにするべきかマナーを解説
/(株)くらしの友 儀典本部
2004年くらしの友入社、厚⽣労働省認定の技能審査制度「葬祭ディレクター」1級取得。
故人様とご遺族に寄り添い、大規模な社葬から家族葬まで、これまで1,000件以上の葬儀に携わる。
新型コロナウイルスの感染拡大を機に、さまざまな場所でマスクを着用するようになりました。葬儀の場であってもマスクを着用して参列する人もいるでしょう。しかし葬儀では、マスクも服や靴と同じように、マナーにのっとって着用する必要があります。
本記事では葬儀におけるマスク着用のマナーや、マスク以外の感染症対策方法などについて解説します。
この記事で分かること
- 葬儀でマスクを着用するかどうかは個人の判断に委ねられている
- 葬儀で着用するマスクは白で不織布
- 体調が優れない場合は無理に参列せず、電話やメールで不参加を伝える
目次
1 葬儀でマスクはした方が良い?
新型コロナウイルス対策としてのマスク着用は、2023年3月13日以降、個人の判断に委ねられています(※)。そのため、葬儀に参列する際もマスクを着用するかどうかは、個人の判断に任されています。「新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症が不安」と感じるのであれば、マスクを着用して葬儀に参列したとしてもマナー違反ではありません。
しかし、葬儀で着用するマスクは色や柄などに注意する必要があります。
2 葬儀のマスクの色は白と黒どちらにするべきか
一般的に、葬儀に参列する際の服や靴などの色は黒が基本です。しかし、マスクについては黒ではなく、白のマスクを着用するのが無難とされています。黒いマスクを着用してしまうとカジュアルな印象を与え、マナー違反と見なされることがあるので注意が必要です。
またマスクを着用して葬儀に参列する際は、色だけでなく柄やデザインにも注意が必要です。白であってもさまざまなデザインや柄が施されているマスクは、黒のマスクと同じくカジュアルな印象を与えかねないので、葬儀の場での着用は控えましょう。
2-1 葬儀に参加する場合は予備のマスクも持参する
葬儀に参列した際、涙でマスクがぬれてしまうこともあるでしょう。マスクがぬれてしまった場合に備えて、予備のマスクを持参しておくと安心です。持ち運び可能な市販のマスクケースに入れておけば、形を崩すことなく持ち運びできます。
なお、市販のマスクケースはさまざまなカラーバリエーションがあります。葬儀に参列する際は過度にカラフルなものでなく、落ち着いた色のケースを持参しましょう。
また予備のマスクは参列者だけでなく、喪主やご家族が用意しておくのもおすすめです。参列者の中には、マスクを付けようとしていたのに忘れてきてしまう人もいるかもしれません。そのため、受付に何枚かマスクを用意しておけば、必要な人が着用できます。
3 葬儀のマスク以外の感染症予防策は?
葬儀でマスクを着用する以外にも、感染症を予防する策はあります。例えば、次のような対策で感染症の予防につなげましょう。
- ● 手洗いうがいを行う
- ● 消毒を小まめにする
- ● 会話をする際は最低限に抑える
- ● 多くの人が集まっている場所に長時間いない
感染症予防をしておくことで、葬儀会場で感染症をうつすあるいはうつされるリスクや、葬儀後に自宅で家族に感染症をうつすリスクも軽減できます。葬儀には多くの人が参列する上に、高齢者も参列します。感染の拡大や高齢者への感染を防ぐために、感染症予防策をしっかりと講じましょう。
3-1 手洗いうがいを行う
感染症予防の基本ともいえるのが、手洗いうがいです。食事の前や葬儀から帰ってきたときなどに、手洗いうがいを徹底しましょう。うがいを実践することで、菌やウイルスが体内に入る前に洗い出すことが可能です。効果が期待できるうがいの方法は次の2つです。
- ● ブクブクうがい:口の中に水を含み、「ブクブク」とさせて吐き出す
- ● ガラガラうがい:口の中に水を含み、のど奥まで届くように上を向いて「ガラガラ」と15秒ほどさせる
ブクブクうがい、ガラガラうがいを組み合わせることで効果が期待できるでしょう。ブクブクうがい1回に対して、ガラガラうがいを3回するのが理想とされています。
菌やウイルスは手に付着していることもあります。そのため、手洗いの際は爪の先から手首までを入念に洗うようにしましょう。
3-2 消毒を小まめにする
葬儀斎場や受付など、さまざまな場所で小まめにアルコール消毒をすることで、感染症の予防が期待できます。
しかし、菌やウイルスによってはアルコール消毒の効果が期待できないものもあり、ノロウイルスやアデノウイルスなどがそれに当たります。そのため、アルコールでの消毒に加えて、手洗いうがいもしっかりと行いましょう。
3-3 会話をする際は最低限に抑える
葬儀で喪主や親族にお悔やみの言葉を伝える際には、マスクを着用した上で、言葉を簡潔にまとめることを心掛けましょう。会話は必要最低限に抑えることで感染症のリスクを軽減できます。また大声での会話や、至近距離での会話を控えるなどして、感染症のリスクを軽減しましょう。
3-4 多くの人が集まっている場所に長時間いない
葬儀によっては多くの人が参列するケースがあります。中には久々に顔を合わせる親族や知人がいて、会話が長引くかもしれません。しかし、感染症に感染するリスクを減らすために、多くの人が集まっている場所にはできるだけ長居をしないようにしましょう。人が多く換気状況が悪い場所では、感染リスクが高まります。
4 体調不良や、感染の恐れのある場合は参列を控える
マスクは自身の症状を周囲の人にうつさないためにも着用されています。そのため、体調不良であってもマスクを着用して、葬儀に参列しようとする人もいるかもしれません。しかし体調が優れない場合は、マスクを着用するのではなく、参列そのものを控えるようにしましょう。
4-1 参列を控える場合のマナー
体調不良や感染症の恐れがあるのであれば、電話やメールで参列辞退の旨を伝えます。その後、郵送や後日の弔問で香典を渡すのがマナーです。もしくは、自分以外の家族や知人が参列するのであれば、香典を託すという方法もあります。
4-2 連絡方法と例文
葬儀に参列できないことを電話で伝える際は、簡潔に話すことを心掛けましょう。喪主やご家族は葬儀の準備などで忙しいため、長々とした電話は相手にとって迷惑になりかねません。また、メールで参列できないことを告げる際は、直接的な表現は避けるのがマナーです。「一身上の都合」や「やむを得ない事情」といったように、遠回しに伝えます。
しかし、感染症が原因で参列できないのであれば、次のような例文で伝えてみましょう。
・直接お見送りができればと思っていたのですが、昨今の状況を鑑みて欠席させていただきます。
・すぐに駆け付けるべきでしたが、高齢のご家族への感染を考慮して、誠に申し訳ありませんが欠席させていただきます。
5 感染症対策をして大切な人をお見送りしよう
葬儀に参列する際、感染症へのリスクを考慮してマスクを着用することはマナー違反ではありません。葬儀で着用するのであれば、白の不織布のマスクを選びましょう。
マスク以外にも手洗いやうがい、小まめな消毒などで感染リスクを軽減できます。
葬儀は多くの人が集まり、高齢者も参列するため、感染症対策をしっかりと講じて大切な人をお見送りしましょう。
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