- 法事・法要
弔問の服装を男女別で徹底解説! 持ち物のマナーも併せて紹介
/(株)くらしの友 商事本部
東京都23区エリアを中心に、法事や葬儀などの施行業務を担当。法事・法要・仏壇や位牌のほか、墓地や墓石など、先祖供養に関連するさまざまな知識をもつエキスパート。
自宅にお線香をあげに行く「弔問」の服装マナーが分からず、お困りの方もいるでしょう。故人の家族に対して失礼にならないように、弔問の服装マナーについてあらかじめ学んでおくことが大切です。
本記事では、弔問に行くタイミング別の服装マナー(男性・女性・児童・学生別)や持ち物、自宅に弔問に行くときとの流れやポイントを解説します。
この記事で分かること
- お悔やみを伝えに行く弔問について解説
- 弔問に行くタイミング別に服装マナー(男性・女性・児童・学生別)を紹介
- 自宅に弔問に行くときとの流れやポイント、よくある質問にもお答え
目次
1 弔問とは? お悔やみを伝えに行くこと
弔問(ちょうもん)とは、訃報を受け、家族へお悔やみを伝えに行くことです。お通夜や葬儀に参列するのが一般的ですが、日程の都合などでお通夜の前や葬儀の後に自宅へ伺うケースもあります。弔問はいつまでに行くという決まりはなく、状況に応じたタイミングで伺うことが大切です。
弔問に伺うタイミングは故人との関係性や、家族がどのような葬儀を望まれるかでも変わります。もし家族が家族葬にして参列者を制限したいと望まれた場合は、「お顔を見てお別れしたい」と思っても家族の迷惑にならないよう配慮が必要です。事前に家族と話し合い、日時などの了承を得てから伺いましょう。
2 弔問に行くタイミング
弔問に行くタイミングは、亡くなった人との関係性により、大きく以下の3つに分けられます。
- 1. お通夜前に駆けつける
- 2. お通夜や葬儀・告別式に参列する
- 3. 後日ご家族宅へ訪問する
故人の三親等以内の親族や、特に親しくしていた方の場合は、訃報後すぐに支度を整えて弔問しましょう。地域によっては、慣習として近所の人が準備やお手伝いのために、お通夜前に弔問する場合もあります。一般的には、特別な人以外はお通夜前の弔問は避けた方が無難です。
お通夜や葬儀・告別式を家族葬で弔問辞退している場は、遺族に連絡したうえで、後日自宅へ弔問することになります。密葬の場合は、後日に本葬が執り行われますので、本葬に弔問します。
もしお通夜や葬儀・告別式に参列できなかった場合は、片付けが落ち着いた3日後くらいから四十九日までに弔問します。家族に連絡をして、訪問日時の都合をお伺いしてから訪問します。家族には故人との関係を説明し、弔問の予定は全て家族の都合に合わせましょう。もし家族に弔問を控えてほしいと言われた場合は、受け入れることが大切です。
3 弔問の服装マナーを葬儀前後で紹介
弔問の服装はタイミングによって異なります。故人へのお悔やみの気持ちを表すためにも、マナーを守るよう心掛けましょう。亡くなった人の顔を見に行く際の、故人や家族に失礼のない服装の選び方を紹介します。
3-1 葬儀前に弔問に行く場合の服装マナー
葬儀前に弔問に行く場合の服装は、略喪服がよいとされています。正喪服や準喪服で訪問すると、故人の死に備えていたように見えてしまうため失礼になってしまいます。
以下で性別・年齢別に詳しく見ていきましょう。
3-1-1 女性
女性の場合は、黒や紺、茶、グレーといった落ち着いた色の服装がよいでしょう。装飾や柄のないアンサンブルやワンピースがおすすめです。
アクセサリーは、結婚指輪以外は外した方が無難です。お手伝いをお願いされることが想定されるようなら、白や黒の無地のエプロンも持って行くとよいでしょう。また光沢のある服・小物はマナー違反となるので注意してください。
3-1-2 男性
男性の場合も黒や紺、茶、グレーなどの落ち着いた色で、控えめな服装がよいでしょう。スーツや、ジャケット・スラックスの組み合わせなどがおすすめです。光沢のある衣装、派手なアクセサリーは避けましょう。
3-1-3 児童・学生
児童・学生の場合は、学校の制服の他、落ち着いた色のシャツやパンツ、スカートのような平服がおすすめです。大人と同様に光沢のある派手なものは避けましょう。柄物やカジュアルな服装も避けてください。
3-2 葬儀へ弔問に行く場合の服装マナー
続いて、葬儀へ弔問に行く場合の服装マナーを紹介します。葬儀では正式な喪服を着用するのがマナーです。礼服でも問題ありませんが、喪服よりも明るい黒の場合があります。正式に喪服とされている服装を選ぶ方が無難です。
性別・年齢ごとの服装は、以下のとおりです。
3-2-1 女性
女性の場合は、漆黒のアンサンブルのワンピースに黒ストッキング・パンプスなどでまとめるとよいでしょう。小物は光沢がなく、革製品・毛皮素材を使っていないものを選びます。肌の露出も避けるのがマナーなので、夏でも長袖がよいでしょう。
3-2-2 男性
男性の場合は、光沢がない素材の黒のスーツに白いシャツ、黒のネクタイ、黒の靴下、黒い靴でまとめましょう。黒い靴がない場合も、なるべく地味な色の靴を選びます。女性の場合と同様毛皮素材を避けましょう。
3-2-3 児童・学生
児童・学生の場合、学校の制服があればそれを着用しましょう。制服がない場合は、黒や紺、グレーなどのダークカラーの落ち着いたズボン・スカート・ワンピースなどに白いシャツを合わせます。
黒い靴がなければ、スニーカーでも問題ありません。靴下は黒がベストですが、白の無地でもよいでしょう。ただし、くるぶし丈の靴下やニーハイソックス、ルーズソックスは避けてください。もし児童の服装に困ったら、喪服のレンタルもおすすめです。
3-3 葬儀後に弔問に行く場合の服装マナー
葬儀後に弔問に行く場合の服装は、平服が無難です。ただし、その場にふさわしい平服を選ぶ必要があります。
以下で詳しく紹介します。
3-3-1 女性
女性の場合、なるべく落ち着いた色のアンサンブルやワンピース、スーツに、黒のストッキングを着用しましょう。メイクも色味を抑えて最小限にとどめます。アクセサリーの着用も控えましょう。
3-3-2 男性
男性の場合は、黒のビジネススーツか、スラックスとジャケットの組み合わせに、白いシャツ、地味な色のネクタイが無難でしょう。光沢のある素材や柄物は避けるようにします。清潔感のある髪型を心掛ける他、ひげはなるべく剃っていきましょう。
3-3-3 児童・学生
児童・学生の場合は、制服で問題ありません。大学生の場合はリクルートスーツでも大丈夫です。制服がない場合は、白いシャツやブラウスに黒や紺などダークカラーのズボンやスカートを合わせましょう。柄物はなるべく避けた方が無難です。
3-4 持ち物のマナー
続いて香典やお供え物、供花などの持ち物のマナーを紹介します。
香典は、お通夜前に駆けつけることになった場合は、持参しなくても問題ありません。お通夜前のお悔やみには、取り急ぎ駆けつけるという意味があるためです。一方、お通夜や葬儀では、香典を持参しましょう。また葬儀後に香典を渡す場合は、お悔やみの手紙を添えて郵送するか、弔問で家族を訪ねるときに持参するとよいでしょう。
お供え物に関しては、香典と同様にお通夜前は不要です。ただし枕花であれば持参しても問題ありません。枕花は故人の枕元を飾る花で、生前親しくしていた人たちがお通夜前までに送ります。お通夜前に連絡があれば、家族から近しい知人として認識されていると捉えて問題ないでしょう。枕花を送るときは、先に相談し、すぐに送らないよう配慮が必要です。
なお、お供え物は高額な品や、消費期限が短いもの、生ものなどは避けましょう。
4 自宅へ弔問に行くときの流れを4つのポイントで解説
自宅へ弔問に行くときの4つのポイントを紹介します。
4-1 家族に連絡して、弔問の日程を決める
まず、故人の家族に連絡を取り弔問の日程を相談しましょう。訃報を受け取ったからといって、連絡せずに押しかけないように注意してください。家族は傷心の中、各種手続きなどで慌ただしく過ごしている場合がほとんどです。
連絡する際は、家族の気持ちに寄り添った言葉を選び、弔問したい旨を手短に伝えましょう。もし弔問を断られた場合は、受け入れることが大切です。
4-2 線香をあげる
弔問に行った際には、ご霊前・ご仏前に線香をあげて手を合わせるのが一般的ですが、家族にごあいさつした後、すすめられたときだけ家に上がりましょう。
また線香をあげるときには、おりんは鳴らさないのが作法です。マナー違反ではありませんが、おりんを鳴らすのは読経するときのみなので、必要ありません。
4-3 香典を渡す
お通夜や葬儀・告別式に参列できなかったときは、弔問の際に香典やお供え物を渡します。香典は袱紗(ふくさ)に包んで持参しましょう。家族には袱紗から出した香典を、相手から見て正面になるように渡します。
4-4 故人と対面する
家族がすすめた場合のみ、故人と対面します。ただし、故人と対面したときに取り乱しそうで自信がない場合は、丁寧にお断りしても問題ありません。
対面の仕方は、まず故人の枕元から少し離れた場所に正座します。両手をついて一礼した後、家族が白布を外したら両手を膝の上に置いて対面します。再度故人に一礼して合掌したら少し後ろに下がり、家族に対して一礼しましょう。
白布を外すのは家族の役目なので、自ら白布を外さないようにしてください。対面した際には、家族へ「安らかなお顔ですね」とねぎらいの言葉をかけましょう。
故人との思い出を手短に話したら、切りのいいところで話を切り上げ帰宅します。家族の負担にならないように長居を避けるのがマナーです。
5 弔問のマナーや服装に関するよくある質問
ここからは、弔問のマナーや服装に関するよくある質問を紹介します。
5-1 お線香をあげに行くときの手土産はどうする?
弔問で故人の家族を訪ねる際は、手土産は不要です。故人への想いを形にしたい場合は、故人の好きだったものなどを持って行くのは問題ありません。ただし日持ちの悪いものや生もの、高価な品物は避けましょう。
5-2 冬の寒いときに、家に弔問へ行くときの服装はどうしたらよい?
冬の寒いときに弔問で故人の家へ行く場合、コートを着て行くこと自体は問題ありません。ただし色は黒や紺などの落ち着いた色を選びましょう。また毛皮は殺生を連想させることから避けた方が無難です。金ボタンなどを使っていない飾り気のないコートであることも大切です。
5-3 夏の暑いときに、家へ弔問に行くときの服装はどうしたらよい?
夏の暑いときでも、家へ弔問に行くときの服装は肌の露出を避けるのがマナーです。夏は暑いときは袖や丈の短い服装になりがちですが、夏でも長袖か五分袖まで、丈も長めの服装がよいでしょう。
6 弔問に行く際はタイミングに合った服装で哀悼の意を表そう
弔問は旧知の仲であった故人を偲び、家族への敬意を表す行為です。家族と対面したときに真っ先に目に入る服装は、どのような気持ちでその場を訪れているかを表すものといえるでしょう。
弔問をするタイミングによってふさわしい服装は異なるため、あらかじめ確認しておくことが大切です。また弔問の際はさまざまなマナーを守る必要があるので、当日に慌てないためにこちらもチェックしておきましょう。
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