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葬儀に適した髪型は? 男女別のマナーや髪色を徹底解説
/(株)くらしの友 儀典本部
2004年くらしの友入社、厚⽣労働省認定の技能審査制度「葬祭ディレクター」1級取得。
故人様とご遺族に寄り添い、大規模な社葬から家族葬まで、これまで1,000件以上の葬儀に携わる。
葬儀に参加する際は、身だしなみに気を付けなければなりません。服装はもちろんですが、髪型にも気を配りましょう。
本記事では葬儀における髪型や髪色の注意点を、男女と子どもに分けて解説します。また、髪型に関するよくある質問や男性のひげについても説明しているので、葬儀に参列する際の身だしなみのマナーを知りたい方はぜひ参考にしてください。
この記事で分かること
- 葬儀における女性の髪型は「耳より下」でまとめ髪にする
- 男性は清潔感のある短髪を心掛け、ひげは整える
- 子どもの場合も基本的には大人と同じように髪を整える
目次
1 葬儀での女性の髪型や髪色の注意点
葬儀に参列する女性の髪型や髪色の注意点を、5つのポイントに分けて解説します。
1-1 基本はまとめ髪
女性で髪が長い方は、基本的にまとめ髪にします。低い位置でまとめた髪を毛先で丸めて、ピンやヘアゴムなどで固定するシニヨン(お団子)や、低い位置で一つ結びにしたローポニーなどで、すっきりとまとめるのがおすすめです。
セミロングなど、一つにまとめるには長さが足りないという場合は、髪の両サイドをヘアピンなどでしっかり押さえると、顔周りがすっきりして清潔感を出すことができます。なお、髪の長さが足りないからといって、ハーフアップにするのはおすすめしません。束ねた毛先がハネたり、髪が長い場合はお辞儀をした際に髪が垂れ下がってしまうので、あまり良いとはいえません。儀では控えた方が無難です。
1-2 髪色
かつては、葬儀に参列するときの髪色は黒色が理想とされていました。しかし、近年はヘアスタイルや髪色が多様化しており、普段から明るい髪色に染めている方も多くいます。
葬儀に参列するなら髪を染めるべきという考えもありますが、結婚式とは異なり、葬儀は前もって予期することのできない事柄です。髪染めに時間がかかってお通夜や葬儀に出られなくなってしまっては本末転倒なので、普段どおりの明るい髪色のままで参列しても問題ないでしょう。
葬儀では故人を悼む気持ちが大切なので、きちんとまとめておけば髪色についてあまり気にする必要はありません。ただ、ご自分でどうしても気になるという場合は、市販のカラースプレーを使用するか、ウイッグを着けるという手段もあります。
1-3 前髪
前髪は顔にかからないよう、サイドやアップで留めるのが基本です。特に前髪が長い方は、下ろしたままでいると焼香で一礼したときに髪が垂れて香炉の中に入ってしまう可能性があるので、きちんとまとめておきましょう。前髪はピンで留めるのが一般的ですが、サイドやアップにした状態でヘアスプレーを使って固めても構いません。
また前髪が長めの場合は、フェイスラインにかからないように注意しましょう。ヘアピンやスプレーを使って前髪をまとめた後は、一度お辞儀をしてみて、前髪が落ちてこないかどうかチェックしておくとよいかもしれません。
なお、目にかからない程度の長さならそのまま下ろしても構いませんが、前髪が分厚くて重たい印象になる場合は、たとえ短めでもピンやヘアスプレーでまとめた方がすっきりします。
1-4 「耳より上は慶事、下は弔事」を意識する
冠婚葬祭の髪型は「耳より上は慶事、下は弔事」といわれています。これは、結婚式などおめでたい行事のときは髪を耳より上にまとめ、葬儀など不幸があった場合は髪を耳より下にまとめるという意味です。
同じ一つ結びやシニヨンでも、高い位置でまとめると葬儀にふさわしくない髪型になってしまうので、結ぶときは耳より下の位置になっているかどうかよくチェックしましょう。ロングヘアの方はうなじのあたりを基準にして結ぶとちょうど良い高さになります。後ろで結んだ場合は自分で分かりにくいので、合わせ鏡でチェックしたり、家族に確認してもらったりしましょう。
1-5 ヘアアクセサリー
髪をまとめる際は、ヘアアクセサリーを使ってもOKです。例えば、ヘアゴムやピンだけで髪をうまくまとめられないときは、バレッタやヘアネットなどを使用します。ただし、色は黒で統一し、明るい色はもちろん、グレーやブラウンなども控えた方が無難です。
ヘアアクセサリーのデザインはシンプルなものを選び、派手な印象を与えないようにします。例えば、大きなリボンが付いていたり、スパンコールやスワロフスキーといった光る素材が付いていたりするものは、基本的にNGだと思っておきましょう。
また、カチューシャやシュシュなど、カジュアルすぎるアイテムの使用も避けた方が無難です。髪をまとめる関係上、どうしても使いたい場合は飾り気が一切ないシンプルなものを選ぶことが大切です。
なお、ヘアアクセサリーは髪をまとめるときのみ使用します。葬儀は本来おしゃれに気を遣う場所ではありません。そのため、ショートヘアなどで髪をまとめる必要がないのにヘアアクセサリーを用いるのは避けましょう。
2 葬儀での男性の髪型や髪色の注意点
葬儀に行く男性が気を付けたい髪型や、髪色のポイントを5つご紹介します。
2-1 基本は清潔感のある短髪
葬儀に参列する男性の髪型は、清潔感のある髪型にするのが基本です。スポーツタイプの髪型なら、襟足もそろってすっきりしているため、大きく手を加える必要はありません。一方、普段から髪を長く伸ばしている場合は、ヘアゴムで一つにまとめておきましょう。女性の場合と同じく、「耳より上は慶事、下は弔事」を意識し、高い位置でまとめないようにします。
なお、短髪であっても前髪が顔にかかる場合はピンで留めたり、ヘアワックスを使ってサイドやバックに流したりすることが重要です。男性なら七三分けにするか、オールバックにするとおでこや眉毛が見えて、すっきりした印象を与えられます。お辞儀をしたときに前髪が落ちてくる場合は長すぎる可能性があるので、上記の方法でまとめておきます。
2-2 髪色
髪色は黒髪のほか、茶髪など明るい髪色でも問題はありません。女性の髪型と同じく、葬儀は予期せぬ出来事なので、わざわざ明るい髪色から黒髪に染め直していると時間がかかり、お通夜に間に合わない場合もあります。髪型に清潔感があれば、色は特段気にする必要はありません。
ご自分が気になるという場合は、カラースプレーで一時的に黒髪に染めるという方法もあります。カラースプレーは手軽に使える上、洗髪すれば簡単に落とせるので、葬儀のときだけ黒髪にしたいという方に適しています。黒のウイッグを着けるという方法もありますが、全頭をカバーするタイプのウイッグを用意するのは手間とお金がかかるので、手軽に済ませたいのならカラースプレーを使用しましょう。
2-3 ワックス
髪がはねたり膨らんだりしているときや、前髪をサイドやバックに流したい場合などは、ワックスを使用すると便利です。ただ、ワックスの使用量は適量にとどめましょう。髪全体にべったり付けると派手な印象を与えてしまう恐れがあります。
ワックスを着けるときは、手や指に適量をなじませてから、手ぐしで伸ばしていくのが基本です。髪に直接ワックスを付けるとムラが出てしまい、仕上がりが不自然になるので気を付けましょう。
また、ワックスはテカリが出にくいマット系で無香料のものを使うのがおすすめです。特に香り付きのものを使用すると、周囲にいる人に不快な思いをさせる可能性があります。
2-4 顔周りのひげ
男性の場合、顔周りのひげをそる必要があるのかどうか気になるところですが、きちんと整えられたひげならば生やしていても問題ありません。おしゃれひげなど、長さや形がきちんと整っているひげであれば不潔に思われる心配はないでしょう。
一方、整っていない無精ひげはNGです。無精ひげのまま参列するとマナー違反とみなされる可能性があります。葬儀に出かける際は、鏡で無精ひげが生えていないかどうかきちんとチェックしましょう。
突然の訃報に慌ただしく出かけ、ついひげをそるのを忘れてしまったという場合は、コンビニなどでカミソリを購入して整えましょう。車内や葬儀場のトイレなどでひげを整えればマナー違反にはなりません。ただし、家族や親族、他の参列者もいる控え室でひげを整えるのは控えた方が無難です。
3 葬儀での子どもの髪型や注意点
子ども連れで葬儀に参列する場合は、子どもの髪型にも注意を払う必要があります。子どもの髪型のマナーは大人と基本的には同じで、清潔感のあるヘアスタイルを心掛けます。髪の毛が長い場合は耳より下でまとめ、前髪はお辞儀したときに垂れないようにピンやワックスで留めておきましょう。
小さな子どもはピンを気にしていじって落とす可能性があるので、黒無地のスリーピンなどしっかり留めるタイプの方がよいかもしれません。
4 葬儀での髪型に関するよくある質問
葬儀の髪型でよくある質問を3つご紹介します。
4-1 葬儀の髪型はロングとお団子どちらが良い?
葬儀では焼香や一礼するときに髪が邪魔にならないよう、ロングヘアはきちんとまとめるのが基本です。ロングとお団子なら、きれいにまとめたお団子の方が外見がすっきりして葬儀にふさわしい髪型となります。
4-2 葬儀の髪型でハーフアップはやめた方が良い?
ハーフアップは結婚式やパーティなどで用いられやすい髪型であり、どちらかというと華やかな印象を与えます。葬儀にはあまり向かない髪型なので、葬儀でハーフアップは控えた方がよいでしょう。
4-3 葬儀は一つ結びで出席しても大丈夫?
葬儀は一つ結びで参列しても構いません。一つ結びなら急ぎの場合でもすぐに髪をまとめることができます。ただし、後れ毛などがあるとおしゃれ感が出てしまってあまり葬儀の場にふさわしくない印象になってしまうので、一つ結びにするときはヘアピンやワックスなども用いてきれいにまとめることを意識しましょう。
5 葬儀に参列するときは清潔感のある髪型を意識しよう
葬儀に参列する際は、故人を偲ぶ気持ちや、家族への配慮を大切にし、周囲に不快感を与えない清潔感のある髪型にするのが基本です。必要以上に髪にツヤを出したり、飾りのあるヘアアクセサリーを着けたりすると、葬儀の場にふさわしくない印象を与えてしまうので要注意です。清潔感のある髪型であれば、多少髪色が明るくても問題ないので、きちんとしたヘアスタイルにまとめることを心掛けましょう。
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