- 葬儀
葬儀に持参するハンカチに決まりはある?基本マナーや注意点を解説
/(株)くらしの友 儀典本部
2004年くらしの友入社、厚⽣労働省認定の技能審査制度「葬祭ディレクター」1級取得。
故人様とご遺族に寄り添い、大規模な社葬から家族葬まで、これまで1,000件以上の葬儀に携わる。
葬儀に参列する際、服装や持ち物にはさまざまな決まりがあり、正しく理解していないとマナー違反になってしまう可能性があります。服装やバッグについてのマナー理解はしていても、ハンカチについては分からない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、葬儀に参列する際のハンカチの決まりや基本マナー、注意点などを詳しく解説します。これから葬儀に参列する方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事で分かること
- 葬儀に適したハンカチの色は白色
- 黒やグレー以外の原色・目立ちやすい色はマナー違反
- ハンカチの柄は無地が基本
目次
1 葬儀で持参するハンカチとは? 基本マナーを解説
葬儀に持参するハンカチにも基本的なマナーがあります。ここでは、ハンカチに関するマナーを色、デザイン、素材、持ち方の4つに分けて解説します。
1-1 色
葬儀におけるハンカチの色は白色が基本です。白は穢れのない色といわれており、仏事や神事で用いられてきたものです。実際、死者の顔を覆う布、故人に着せる死装束などはすべて白色です。また、葬儀やお通夜のときに着ていく喪服は黒色ですが、もともとは白色でした。このような理由から、ハンカチの色は白色がよいとされています。
ただし、現在は黒色の喪服が一般化されていることから、喪服と合わせて黒色のハンカチを持つケースもあります。お店でも葬儀用に黒色のハンカチが発売されており、黒色のハンカチでも問題ないでしょう。
ピンクや水色などは周囲にカジュアルな印象を与える他、原色の赤色や黄色などの鮮やかな色は派手な印象になりマナー違反となるため注意してください。
1-2 デザイン
ハンカチのデザインは、無地が基本です。原則として、葬儀はファッションを楽しんだり、ファッションで個性を出したりする場所ではありません。水玉やチェック柄など柄物のハンカチは避けましょう。ラメやストーンなど、光る装飾がされたハンカチも同様に避けるべきです。
ただし、近年はレースがあしらわれたハンカチや、ワンポイント程度の刺繍が入ったハンカチであれば許容される傾向にあります。
1-3 素材
葬儀に持参するハンカチの素材は綿、ポリエステル、麻であれば問題ありません。中でも綿素材のハンカチは吸水性が高く、涙を拭き取る場面の多い葬儀には最適です。
葬儀で避けたい素材は、タオル生地のハンカチです。タオル生地のハンカチはカジュアルな印象を与え、フォーマルさに欠けます。また、絹、レーヨンも避けたい素材の1つです。どちらも光沢があるため、葬儀にふさわしくありません。
汗をかきやすい夏場であれば、吸収性の優れた綿とタオル生地の両方を用意して使い分けられるようにしておくと安心です。
1-4 持ち方
葬儀におけるハンカチの持ち方は、男性と女性で異なります。男性の場合はバッグを持たない方が多いため、ハンカチをポケットにしまっておきます。和装の場合は、袂(たもと)に入れておきましょう。
注意点として、ジャケットの胸ポケットは使用しません。ポケットチーフにハンカチが見えるように入れるのは、お祝いの席での服装です。葬儀ではマナー違反となるため、注意してください。
女性は、バッグもしくはポケットの中に入れておきましょう。
子どもの場合はポケットの中に入れます。ただし、ハンカチをポケットに入れて膨らんでしまったり、はみ出してしまったりする場合は、代わりに親が持ち歩きましょう。
2 葬儀用のハンカチはどこで買える?
葬儀用のハンカチは、以下のいずれかの場所で購入できます。
- ● スーツ店・百貨店
- ● 洋服店
- ● コンビニエンスストア
- ● インターネットの通販サイト
葬儀用のハンカチはさまざまな場所で販売されていますが、突然の訃報に備えて普段から用意しておくと安心です。スーツ店・百貨店の他、洋服店やコンビニエンスストアなどでも、冠婚葬祭用のハンカチを取り扱っています。ハンカチのデザインや使い心地を実際に確認したい方は、店頭での購入がおすすめです。また、インターネット通販であれば「葬儀用ハンカチ」と調べるだけで、さまざまなデザインのものがすぐに見つかります。
安価で入手したい場合は、100円ショップで販売していることもあるので探してみましょう。
3 葬儀に持参するハンカチ以外に注意すべきこと3つ
葬儀に持参するハンカチ以外の注意点として、以下の3つが挙げられます。
- ● ポケットチーフは挿さない
- ● ネイルはなるべく落とす
- ● ナチュラルメイクをする
それぞれの注意点を詳しくみていきましょう。
3-1 ポケットチーフは挿さない
先述したとおり、葬儀でポケットチーフは挿しません。ポケットチーフとは、男性のスーツの胸ポケットからハンカチが少し見えるように入れることです。海外では葬儀の場でも行われていますが、日本でポケットチーフをするのはお祝いの席のみです。日本の葬儀の場では、ポケットチーフは避けるのが無難でしょう。
3-2 ネイルはなるべく落とす
葬儀の参列時に派手なネイルをしていると、他の参列者の目を引いてしまいます。派手な色や柄のネイルはなるべく落とすようにしましょう。もしもネイルを落とすのが難しい場合は、肌なじみの良いピンクやベージュのネイルを上から塗り重ねると良いでしょう。
ネイルアートやラインストーン、ジェルネイルをしていてすぐに落とせない場合は、葬儀用の黒の手袋で隠すこともできますが、お焼香の際に外す必要があるため、なるべく外しておくのが無難です。
またネイルを落とすべきかどうかは故人との関係性にもよります。故人と近しい関係性であるほど、ネイルは落としておきたいところです。いずれにしても他の参列者やご家族に悪い印象を与えない身だしなみを意識しましょう。
男性の場合、長い爪は短く切って整えて清潔感を意識してください。伸ばしっぱなしの爪は、不潔な印象を与えてしまいます。
3-3 ナチュラルメイクをする
葬儀でのメイクは、ナチュラルメイクを意識しましょう。葬儀では、片化粧といわれるメイクのマナーがあります。片化粧とは、全体的に色素が薄い最低限のメイクで、薄化粧と同じものです。
ナチュラルメイクといっても、ノーメイクはマナー違反です。ノーメイクはフォーマル感に欠ける印象を与えます。状況によりますので一概にはいえませんが、可能であれば最低限のメイクはしておきましょう。
また、葬儀のメイクの注意点として、アイライン、マスカラは基本的に使いません。もしもアイラインを使う場合は、細く目立たないように書きます。マスカラを使う場合は、重ね塗りすると派手な印象になるため、最低限にとどめておきましょう。目元のメイクはハンカチで涙を拭った際に落ちることがあるため、ウォータープルーフタイプを使うのがおすすめです。
4 葬儀に持参するハンカチは無地の黒色・白色が無難
葬儀に持参するハンカチのマナーについて解説しました。葬儀でハンカチを持参する際は、白もしくは黒で、素材は麻、綿、ポリエステルのもの選びましょう。派手な原色やラメの入ったデザインは避けてください。
葬儀用のハンカチは、インターネットの通販サイトやスーツ店・百貨店、洋服店、コンビニエンスストアで購入できます。突然の訃報に備えて、日頃から用意しておくと良いでしょう。
また、葬儀ではハンカチ以外にも気を付けたいマナーとしてポケットチーフを挿さない、ネイルを落とす、ナチュラルメイクにするといった決まりがあります。本記事で紹介した内容を参考にして、マナーを守って葬儀に参列しましょう。
葬儀に関する不安がある方は、ぜひくらしの友にご相談ください。事前相談では、葬儀に関する費用はもちろん、あいさつのマナーや服装、葬儀の流れなどの不安についてもお答えします。お急ぎの場合は、24時間365日対応可能なフリーダイヤルでもお話しいただけます。事前相談を活用して、安心して葬儀に参列できるようにしましょう。